ケチャケチャケチャ!! -ウブド-
written by kayo
バリ島に来て、どうしても観ておきたかったのがケチャ。
どこで観るのが良いのか調べたところ、今ウブドで最も完成度が高いケチャを公演してると評判の伝統舞踊グループが、宿の近所で公演してる事が発覚!迷わず即決です。
グループの名前はトレナ・ジェンガラ(Trena Jenggala)。
ハノマン通りにあるパダンテガル・カジャ集会所で、毎週土・日・水曜日、ケチャ・ダンスを披露しています。
時間は19時からで、料金は1人75,000ルピア(約640円)。
チケットは集会所の前、もしくはそこら辺で売ってる人から買えます。
開演30分前に集会所へ行くと、正面前列のベストポジションはすでに埋まり気味。
その後もどんどん人が集まってきて、ほぼ満席状態。
週3回もやってるのに、ずいぶん人気だなぁ。
そして始まったケチャ!
腰布を巻いた沢山の男の人達が、「ケチャケチャケチャ!!」と大合唱しながら登場。
本当にビックリするくらい、一瞬でその場の空気がガラッと変わった。
徐々に炎の周りに集まりはじめて・・・
円陣完成。
観る前はただケチャケチャ言ってるような、もっと単純なものだろうと思ってたけど、実際は全っ然違いました。
音もリズムも動きも、全てが不規則で複雑。
あまりに馴染みのない空気に、一気に不思議な感覚に引き込まれる。
「ケチャ」も皆がひたすら同じ様に言ってるわけじゃなくて、細かくパート分けして、違うリズムや回数の「チャ」をそれぞれが発する事で、「ケチャケチャケチャケチャ」と聞こえてきてる様なのです。
その他にも、「プン・プン・プン・プン」ってリズムを保ってる人がいたり、深い息づかいを織り交ぜたり。
上手く伝えられないけど、とにかくすごいの!
男の人達というよりは、おじさん達といったところでしょうか。
まもなく、綺麗な衣装を着た女性達が登場。
皆べっぴんさんで、華麗に踊ります。
指の動きの繊細さには釘付け。
この伝統舞踊は、1つのお話になってます。
だいぶ簡単に説明すると、王子と、妃と、妃の弟が国から追放され森をさまよってると、悪い王様に見つかり、妃は誘拐されてしまい、それを助けに行くっていうお話なんだそうです。
これがその悪い王様。
「でやーっ!!」とか「どぅあーっ!!」とか、織田無道ばりに声を張り上げます。
この王様が出てきた時は、やはり修羅場な様で大盛り上がり。
妃がガッツリ担がれたり、周りもわらわら立ち上がったり。
あんなに元気だったおじさん達が、急にパタリと倒れて、何やら神妙な雰囲気。
おじさんアート。
他にも愉快な仲間達が次から次へと現れて、ずーっとワクワクで飽きる暇なんかありませんでした。
衣装のクオリティも高いし、楽しめる所がいっぱい!
最後もケチャケチャ言いながら帰って行きます。
おじさん達、ありがとーー!!
ブラボー――!!
と思ったら、くるっと振り返ってちゃんとご挨拶。
最後は皆で大集合。
撮影チャンスと思いきや、この時までもおじさん達がケチャケチャ言いながら縦に横にと揺れてるもんで、ブレます。
大満足で終了だと思ってたら、また何か始まったぞ。
今度はおばさん達の歌に合わせて、豪華な衣装を着た女の子2人がヒラヒラ踊り始めた。
ケチャおじさん達も数人いて、突然ケチャの速いリズムで踊りだす事も。
動きは2人ともバラバラなんだけど、真剣で自信満々で可愛い~。
どういう意味なのかは分からないけど、途中、いきなりパタッと気を失う様に倒れちゃう事がしばしば。
そんな時は、実の母と思われるおばさん達が、無理矢理起こしに来てました。
だけど最後は、本当に起きなくなっちゃったみたい。
すると、謎のおじさん登場。
何かしらの力を使って、見事に女の子達の目を覚まさせました。
今度こそ終了だと思ってたのに、またしても何かが始まる模様。
炎に、煙がモクモク。
そういえば、ファイヤーダンスがあるって聞いてたな。
どんな踊りかと思いきや、馬風の男性が素足のままで、燃える炭の上をダッシュ!!
こ、これは熱いよ~。
しかも蹴散らした炭を、他のおじさん達が何度も寄せ集め、そして何度も走る。
向かいの人にフラッシュをたかれると、「奇跡体験!アンビリバボー」の様な写真が撮れます。
終了後の男の人の足、真っ黒焦げ。
どうかこの人への報酬が、ちゃんと他の人達と差別化されていますように。
1時間と聞いていた公演は、きっちりオンタイムに始まり、1時間15分くらいのとても充実したものでした。
この感動と満足感は、完全にお値段以上だよ~。
次バリに来た時も、また観に来ちゃうだろうな。
ケチャ・ダンス、最高です!