那須から

written by kayo

帰国してからすっかり時間が止まっていたこのホームページ。

もうあまり見てる人がいないだろう事を良いことに、ひっそりとマイペースに更新を再開します。

温泉神社

那須に行って来ました。

温泉神社に行って、不思議な空気を味わった後、一番の目的地へ。

藤城清治美術館

藤城清治美術館。

以前は大好きな彫刻家のニキ・ド・サンファルの美術館だった場所で、閉館してしまったのを残念に思ってたところ、またしても大好きな人の美術館になってくれました。

見とれたり、圧倒されたり、吸い込まれそうになったり。

向き合ってると、自分の中がどんどんクリアになっていって、鈍ってたり、忘れてた感覚が戻ってくる気がする。

藤城清治 防災庁舎

どの作品よりも足が止まってしまったのが、南三陸町の防災庁舎の絵の前。

実は先月、この場所へ行っていました。

震災が起きた時は旅の最中で日本にいなくて、4年が経ってしまったけど、ボランティアツアーに参加して初めて被災地を訪問。

南三陸町

防災庁舎の前に立つと、体中が痛くなるような、言い表せない空気を感じ取ってしまって、もしここで自分の大事な人が命を落としていたとしたら、辛くて見てられない、早く壊して欲しいと思った。

それぐらい、悲しい場所に感じてしまった。

訪れる前にネットでここに関する記事を読んでるだけの時は、こんな考えにはなってなかった。

「震災の悲惨さを伝える為に残すべき」

そんな言葉の意味も、何割かは理解できるような気がしてた。

でも、実際にその場所に立つと、自分の目で見る光景が、自分の肌で感じる空気が、そんな考えを一気に吹き飛ばしてしまった。

旅から帰って来た時、日本を離れて非日常の中で1年7か月を過ごしている間に、以前よりもずいぶん人の生活の大部分に、ネットの世界が入り込んできてるなと感じました。

ネットで簡単に情報を集めて、賛否両論の意見すらも綺麗に編集された形で得て、理解した気になってしまう事の怖さや愚かさ。

そんな事を今回改めて思い知らされた気がしました。

絶対に、自分でその場所に立たないと分からない事がある。

むしろ分からない事だらけ。

豊富過ぎる情報たちと上手く付き合いながら、そこの部分は見失わないようにしたい。

南三陸町

防災庁舎を残すか残さないか、とても意見を言える立場ではないけれど、

「あの形じゃなくていい。他に何か違う形があるんじゃないか。」

そんな思いだけが引っかかって残っていたところに、藤城さんの防災庁舎と向き合えたのでした。

あの景色に、光や希望を与えて、見る人達をこんなにも癒してる。

人を傷つけかねない題材を、ここまでの完成度で仕上げられる人は、他にいないと思う。

ほんの少しでも隙や粗があったら、純粋さに嘘があったら、きっとダメだったんだろうな。

旅の時にも、色んな国で何度も感じたこと。

自然には到底敵わなくても、ゼロから何かを生み出したり、全て失ってもまた一から創り上げる力は、人間の一番すごい所なんじゃないかと思う。

Category: 44.帰国後 Comment »

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